松山エアモデラーズクラブ(MAC)は、飛行機のみならずあらゆるジャンルの模型作りが大好きな人の集まりです。

一人展示室

一人のモデラーの作品紹介です。1か月間お気に入りの作品を展示します。

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今月の作者:杉本 隆一さん

前回の掲載から新作もなく既存の完成品も地味なものばかりですので、今回は30年ほど前にハマっていた1/43ミニカーキットの完成品を披露します。現在の目から見ると非常に微妙な出来ですが、今や1/43キットも作る人もあまり見かけなくなり模型雑誌で取り上げられることもありませんので、大目にみていただければ・・・。

フェラーリ643-1

ロッソ1/43 フェラーリ643

今は亡きロッソのキットであり、一番最初に作った1/43キット。この頃、すでにレジンキットは持っていましたが、プラキットしか作った事ない当時の私からすれば値段も含めて敷居が高いものでした。そこで当時ミニカーのプラキットとして発売していたこのキットを製作した次第です。
フェラーリ643-2

ロッソ1/43 フェラーリ643

プラキットとはいえサスペンションはエッチング、モノコックは亜鉛ダイキャスト製で所謂マルチマテリアルキットでした。カウル、ウィングは地色そのままで、デカール貼りのあとクリア掛けで仕上げています。ちなみにデカールはカルトグラフです。
フェラーリ642-1

ロッソ1/43 フェラーリ642

前述のフェラーリ643の完成に気を良くした私は、すぐに同じロッソの642に取り掛かります。これはカウル等を塗装で仕上げたものです。先の643もそうですが、これは本来カウル取り外し可能なフルディティールキットです。ただ、カウルの締まりが良くなかったのでどちらもプロポーションモデルとしています。
フェラーリ642-2

ロッソ1/43 フェラーリ642

このロッソというメーカー、フェラーリF1以外にもR32GTRやNSX、RX-7も1/43で発売していましたし、完成品も販売していました。また、1/43以外にも1/24や1/12の車もラインナップされていましたが、バブル崩壊とともに消えていった印象があります。
ティレル023ヤマハ-1

BBR 1/43 ティレル023 ヤマハ

ロッソのキットを製作ののち、本格的にメタル、レジンのキットを作るようになりましたが、今回の撮影の為、久しぶり当時の完成品を引っ張りだしてみるとウィングやタイヤ、アンテナ等が外れるトラブルが多くありました。当時使用していた接着剤が瞬間やエポキシだったので、30年近い経年劣化でダメになりました。その中でも比較的まともだったのが、このティレル023でした。これがまともに残っていた理由の一つとして、エッチング部品を半田付けして作ったのもあると思います。
ティレル023ヤマハ-2

BBR 1/43 ティレル023 ヤマハ

このBBRというメーカー、元々完成品専門メーカーだったのですが、F1キットでは当時独占状態だったタメオキットに挑戦する形で、1993年頃からキットを販売していました。老舗タメオに比べるとイマイチな出来のメーカーでしたが、このティレルが販売された1994年はタメオに負けないクオリティだったと思います。メタルの質はタメオより少し硬く、カウルのエッジやアンダートレイの仕切り板などをシャープに仕上げられたので、個人的には好みでした。
ウィリアムズ・ルノーFW18-1

タメオ1/43 ウィリアムズ・ルノー FW18

このキット、タメオにしてはボディのスタイルが悪く実車の車高に合わせようとすると、ウィングの位置が異常に低くなるなど何かとバランスの悪いキットでした。このリアウィングはすべてエッチングの板を組んでいく構成であり、半田付けの技術がなければ到底完成出来ませんでした。
ウィリアムズ・ルノーFW18-2

タメオ1/43 ウィリアムズ・ルノー FW18

 このキットはメタルキットと謳いながら、実際はボディとアンダートレイ、フロントウィングのみメタルパーツであり、あとはエッチングと挽き物部品で構成されていました。このぐらいの頃のF1から、ボディ横にバージボードがあり、エッチング板を左右対称にアールをつけて曲げるのが難しかった記憶があります。
ウィリアムズ・ルノーFW19-1

タメオ1/43 ウィリアムズ・ルノー FW19

実車は先のFW18の進化系ですが、キットは全くのブランニューキットでFW18の欠点が殆ど解消された素晴らしい出来栄えでした。但し、なぜかデカールがいつものカルトグラフではなくタメオ自製のデカールだったのですが、非常にフィルムが硬く、パーツに馴染ませるのに非常に苦労しました。結局タイヤのグッドイヤーのロゴは全く使い物にならず、先のFW18の余りデカール(この頃のタメオは失敗対策として同じデカールが二枚入っていました)から流用しました。
ウィリアムズ・ルノーFW19-2

タメオ1/43 ウィリアムズ・ルノー FW19

1/43のキットは十何台か製作しましたが、この完成品が自分的に最も納得のいく代物でした。これ以降キット購入はしていたものの、製作意欲が失せ始めこの完成品以降仕上げられたモノはありませんでした。購入していたキットはかなり処分してしまいましたが、まだ仕掛品が十数台残っているので機会があれば仕上げてみたいです。今回F1のみしか紹介できませんでしたが、実は箱車は前述のトラブルの他に塩ビ製のウィンドウがことごとく黄ばんでしまい、鑑賞に堪えうるのレベルではなくなってしまっていました。
寸法1

1/43ミニカーの寸法1

 写真だけだと大きさがわかりずらいので、ゲージを置いてみました。こんなに小さくて、しかもプロポーションモデルですがこれでも部品点数は100近くあります。
寸法2

1/43ミニカーの寸法2

横からのアングルで、リアタイやの側に比較用の五円玉を置いてみました。タイヤが五円玉よりも小さく、スケール感が伝わると思います。