松山エアモデラーズクラブ(MAC)は、飛行機のみならずあらゆるジャンルの模型作りが大好きな人の集まりです。

2025年の展示室

展示期間が終わったページを1年ごとにまとめたものです。

6月の作者:ウツノミヤさん

2023年に入会したウツノミヤと申します。初めて展示室の担当となりました。以後、よろしくお願いします。
既に還暦を過ぎた年寄りですが、ブランクが長くて再開してからはまだ数年とまだまだ初心者です。大戦後から現代までの戦車をメインに作っています。モットーは「質より量」。1/35で世界の戦車を集めるのが夢です。
では、ブランク後に作った戦車を紹介します。

マルダーIII

マルダーIII タミヤ 1/35

復帰のリハビリはやはりタミヤだろうと「マルダーIII」を選んだ。「現用戦車が好き」と言いながら、最初は小さいのが無難。やはりタミヤは間違いない。サクサク組めた。スプレー缶のジャーマングレーで塗装して、クレオスの水性ホビーカラーの白を薄めて適当に塗ったらそれらしい冬季迷彩になった(気がする)。
10式戦車

10式戦車 タミヤ 1/35

やっと現用戦車を作る。タミヤなので組み立てはサクサク終わる。サイドスカートのゴムの質感表現が素晴らしい。スプレー缶の自衛隊色で塗って墨入れしたら暗くなったのでMr.ウェザリングカラーの緑で明るくした。リアルかどうかは別にしていい色調になった。
Strv.103B

Strv.103B トランペッター 1/35

復帰3作目。「私的好きな戦車ランキング」でベスト3に入る戦車。それなりに知名度がある割に、大昔のタミヤ1/48でしかプラモ化されていなかった。トランペッターから出たときに嬉しくて買って積んでいた。A/B/Cの3タイプがモデル化されているが、個人的には一番完成度が高いと思っているB型を買った。(主砲の支持部品が二重になっていてドーザーブレードと防御用の柵(?)が装備されていないのがB型)トランペッターのプラモは始めて作ったが、適度な部品分割と合いの良さで組みやすかった。ブラウンで墨入れしたらいい感じになった。
T-72

T-72 M1 タミヤ 1/35

復帰4作目は「ソビエト連邦」のT-72。リアクティブアーマーがついてないシンプルな初期のM1型。ソ連戦車伝統のデタラメに低い砲塔とアンバランスに長い砲身が「戦車!」って感じで良し。部品が少なくて簡単に組み立てられた。塗装はクレオスから「ロシアングリーン1947年以降」というそのものズバリの色が出ている。水性塗料もあるのでエアブラシでそのまま拭いて完了。Mr.ウェザリングカラーの「オーカーソイル」を塗ったら、窪んだ部分に泥が溜まった感じが良く出来たと思う。
レオパルト2A6

レオパルト2A6 タミヤ 1/35

復帰5作目。レオ2では砲塔が垂直面で構成されているA4が第二次世界大戦のティーガーIみたいで好みだがタミヤにないのでまずはA6から。この「最新型」でも配備から20年経っているのに驚く。車体は適当に省略された部品数で組みやすかったが、砲塔のスモークディスチャージャーの位置決めが大変だったのと、追加装甲の隙間がやや大きく空いた。隙間はガーゼを木工用ボンドで固めてカモフラージュネットにして隠した。三色迷彩はやはり格好良い。
KF51パンター

KF51パンター アミュージングホビー 1/35

ラインメタル社が試作した次世代戦車。こんな試作戦車を立体化してくれて感謝。キャタピラが1コマ3パーツの連結式だがそれ以外は割と簡単。実物はグレー基調のデジタル迷彩だが実戦配備された想定でNATO3色迷彩の色に置き換えてみた。内蔵されているドローンの発射シーンを再現してみた。
PL-01

PL-01 タコム 1/35

またまた試作車両。スウェーデンの歩兵戦闘車CV90の車体を使ってポーランドが試作したステルス戦車。タコムのプラモは始めて組んだ。部品分割は適度に省略されているが、説明書が一部不親切なのと合いが悪いパーツもあって少し苦労した。「ステルス戦車」と喧伝されていたので、それっぽいグレーで塗ってみた。
VT-1 2

VT-1 2 タコム 1/35

197O年代に西ドイツで構想された無砲塔戦車で実際に試作されたVT1 2。50年経っても「未来の戦車」の奇抜なフォルム。レオパルド2と併用される構想で「レオパルド3」になった可能性もある。両脇に配備した主砲のおかげで乗務員の防御に役立ったらしい。こんな戦車を立体化するとはタコムは凄い。実車はオリーブドラブ一色だが制式採用された想定のNATO3色迷彩にしてみた。
AMX-30 B2 BRENNUS

AMX-30 B2 BRENNUS タイガーモデル 1/35

1970年代の戦車が大好きなので追加装甲のないAMX-30が作りたかったが、モンモデルのは売り切れていた。初タイガーモデルだが、組みやすかった。主砲は、なんと金属製の砲身とプラスチック製のカバーが一体成形されている。迷彩塗装は割とクッキリしているみたいなので、グリーンを吹いてから筆でブラウンとブラックを塗り分けた。
AMX-13/75 w/SS-11 ATGM

AMX-13/75 w/SS-11 ATGM タコム 1/35

タミヤのもあるが、揺動砲塔に対戦車ミサイルを搭載したこのタイプが作りたかったので、タコムのにした。合いも良く組みやすかったが、この時代の戦車はサイドスカートが無いタイプが多くて、足回りの塗装がやや面倒。履帯と車輪を接着して、後から組み込む「ロコ組み」に初めて挑戦してみた。先端が青いミサイルが強そうでいい。

以上、ちょうど10両を紹介しました。塗装の腕前は一向に上がりませんが、組み立ては少し速くなった気がします。フィギュアやジオラマにも挑戦したいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

5月の作者:Kenji Yamashitaさん

4月の作者:杉山 英孝さん

2024年の展示会に出品した艦上機です。艦上機は航空母艦で運用する機体の総称ですが、陸上機にはない様々な制約を設計に盛り込むため、設計者の腕の見せ所でもあります。

九六艦戦

九六式艦上戦闘機 1/72 フジミ

日本海軍初の全金属製低翼単葉戦闘機で抜群の格闘性能を発揮した。固定脚は強度 があり、不整地での離着陸も難なくこなしたという。
零戦

零式艦上戦闘機 1/72 タミヤ

九六式艦戦の後継機として速力、航続力、火力を増大させながら格闘性も兼ね備えよ、という物理法則を無視した海軍の要求に応えた機体。出現当時、世界最高峰の呼び名は揺るがない。
九七艦攻1

九七式艦上攻撃機 1/72 ハセガワ

日本海軍初の全金属製低翼単葉引込脚を採用した機体。さらに、可変ピッチプロペラ、密閉式風防、蝶型フラップを装備。以降の軍用機の方向性を示したエポックメイキング的な機体。
九九艦爆

九九式艦上爆撃機 1/72 フジミ

ドイツのハインケルHe70を参考にした急降下爆撃機で、固定脚ではあるが楕円翼、ダイブブレーキを装備している。大戦後半は特攻にも使用された。
彗星

艦上爆撃機 彗星 1/72 AZmodel

敵戦闘機の邀撃をかわして爆撃が行える艦上爆撃機という開発コンセプトの通り速度重視の設計がなされている。エンジンはDB601のライセンス生産品であるアツタ二一型。
天山

艦上攻撃機 天山 1/72 フジミ

天山の外形的特徴は空母のエレベーターいっぱいに全長を設計したことにより、三点姿勢で垂直尾翼が甲板と直角になるシルエットを持つことだろう。飛行時には前傾しているように見える。
流星改

艦上攻撃機 流星 1/72 フジミ

艦爆搭載の爆弾の増大要求と艦攻の雷撃後の退避行動における高機動性の要求が高まった結果、両機種の統合が決まり設計された機体。雷撃もできるが艦爆の星にちなむ愛称となっている。
F3F

F3F-1 フライングバレル 1/72 MPM

アメリカ海軍で運用された最後の複葉戦闘機である。主脚は胴体側面に引き込まれる。愛称のフライングバレルとは「空飛ぶ樽」の意。
ワイルドキャット

F4F-4 ワイルドキャット 1/72 AIRFIX

大戦前半の米海軍主力戦闘機。生産はゼネラルモーターでも行われ、この4型から引き継がれFM-1の型番になっている。イギリスに供与されるマートレットもGMの生産。
スカイロケット

XF5F-1 スカイロケット 1/72 MPM

米海軍が出した高速艦上戦闘機の仕様に応えたグラマン社の試作機。着艦時の前下方視界を良くするため、主翼を胴体が咥えるようなデザインがユニークだ。
ヘルキャット

F6F-3/5 ヘルキャット 1/72 ハセガワ

F4Fの後継機として開発された。零戦を分析して作られたという俗説があるが、それはウソ。零戦が鹵獲されたのは1942年7月、F6F-3の試作機が飛んだのは1年以上前の1941年6月だ。
ヤードレーマクラーレン

F7F タイガーキャット 1/72 MONOGRAM

米海軍において初めて制式採用となったレシプロ双発艦上戦闘機。20mm×4、12.7mm×4の重武装に加え、2,100馬力2基のエンジンは732km/hの快速をもたらした。
ベアキャット

F8F ベアキャット 1/72 MONOGRAM

零戦を徹底分析し、零戦に勝つために作られた機体。それまでのグラマン戦闘機に見られる緩慢な設計は影を潜め、細部に至るまで重量軽減を考慮したものとなった。
コルセア

F4U コルセア 1/72 タミヤ

グラマン・スカイロケットなどと競った高速艦上戦闘機案に応募して2000馬力エンジンを搭載する案で採用となった。朝鮮戦争でも使用される息の長い戦闘機だった。
ドーントレス

SBD-3 ドーントレス 1/72 ハセガワ

米陸軍でも急降下爆撃機として使用された。「大空のサムライ」の坂井三郎に瀕死の重傷を負わせた機体としても有名。主翼の折り畳み機構がなかったが大戦全期間を通じて第一線で活躍。
アベンジャー

TBM-1C アベンジャー 1/72 ハセガワ

翼幅16m超、自重4,700kg超の大型雷撃機。胴体下面はほぼ爆弾倉となっていて魚雷もそこに収納される。魚雷はMk.13×1、爆弾は1,600又は1,000lbs×1、500lbs×4、100lbs×12
ヘルダイバー

SB2C-4 ヘルダイバー 1/72 Academy

要求性能が過大だったため大型化が免れなかったが、空母のエレベーターの都合で機体後部が切り詰められた設計となり安定性がなくトラブルの多い機体だった。
シーファイア

シーファイア Mk.46 1/72 SpecialHobby

シーファイアMk.46はスピットファイアMk.22を海軍規格に改造したもので、短縮された後部胴体とティアドロップキャノピー、5枚プロペラ若しくは二重反転プロペラが特徴である。
ソードフィッシュ1

ソードフィッシュMk.1 1/72 AIRFIX

複葉、鋼管羽布貼り、固定脚という時代遅れの機体だったが、信頼性の高いエンジン、操縦のし易さ、低速域での安定性が抜群で、後の後継機が総合点で上回ることができなかったという。
バラクーダ

バラクーダMk.Ⅱ 1/72 MPM

ソードフィッシュの後継機。外見の特徴は肩翼、T字翼のような水平尾翼の取り付け方、主翼後縁から飛び出すユングマンフラップ、主脚のユニークな格納方法など興味が尽きない。

3月の作者:井上 次郎さん

井上次郎です。3回目の投稿となりますが、今回は田宮1/12のホンダF-1、ドカティMHR、ヤードレーマクラーレンだけだったので、これまで作った1/12ビッグスケールを並べた写真も撮ってみました。昨年度末からフェラーリ312Bに取り掛かっていますので、こちらも途中ですがアップいたします。この後ゴールドリーフやら72Dやらのロータス車が控えているので早く完成させたいです。

ホンダf1

ホンダF-1

白は自分のイメージでクールホワイトにしてみました。日の丸もイメージでブライトレッドに。
ホンダf1斜め後ろ

ホンダF-1

子供のころ田宮のカタログを見て、複雑さに驚いたマフラー。
並べてみた

ローラがあるので、カレラ10も入れたいところですね。

2月の作者:97mの毛糸さん

97mの毛糸と申します。動く模型や一発ネタなど「楽しい模型」をモットーに製作しています。最近忙しく作品が少なかったので未公開の過去作も引っ張り出しました(笑)。

ジニー魔導針01

実物大ジニー魔導針 フルスクラッチ

アニメ「ルミナスウィッチーズ」より、主人公ヴァージニア・ロバートソンが魔法力を発動したときに頭部に現れるヘッドホン型の魔導針(レーダーの一種)を実際に装着できるように再現しました。
ジニー魔導針02

実物大ジニー魔導針 フルスクラッチ

カチューシャからボルトを生やし、加工したPET材を固定しています。ライトユニットは高輝度LEDのテープライトで自作。断面から照射してキズをつけたところだけ光が拡散して光っているように見えます

以下過去作品

ローマ01

戦艦「ローマ」 トランペッター 1/350

代行製作依頼の品。ストライプ&迷彩&曲線&缶スプレーでマスキング地獄でした。もう作りたくない逸品ですが自分用に入手した同型艦を持ってるんですよね・・
250大和01

戦艦「大和」 アリイ(マイクロエース) 1/250

代行製作依頼の品。以前同じキットを作ったとき、面積の大きな大型模型は色が間延びして明るく見えるという知見を得たので、呉海軍工廠色より濃い佐世保海軍工廠色を使ったのですが、エアブラシで凹凸にシャドウを加えて表情をつけたら全体で見たとき濃くなりすぎたなーと反省

1月の作者:西瓜さん

前回の個人テーマが「アメリカンレトロフューチャー」でしたので(2023年6月担当)今回のテーマは「華麗なる英国スタイル」とでもしましょうか。素直に「華麗」っての少ないんですが。

747-400BOAC

747-400 ブリティッシュエアウェイズBOACカラー

まずエアモデラーズクラブらしく飛行機でちゃんと「華麗」なのを。30代半ば以降くらいの年齢の人には、旅客機といえば747だろうほどに著名なシリーズですが、その中でダッシュ400なので数年前コロナ流行の辺りまで飛んでいた割と最近の機材です。
所謂、スペシャルマーキングな機材でブリティッシュエアウェイズの前身の一つBOAC(英国海外航空)のマーキングを纏ったもので、日本でも海外旅行が、夢物語からJALパックで手が届き始めた頃の言わば旧き良き時代のBOACとして最後の装い再び、なものでした。
製作当時はハセガワの1/200政府専用機747-400が簡単に手に入りしかも安価だったのでこれをベースに製作しましたが、政府専用機のエンジン=GEのCF6エンジンに対して、ブリティッシュエアウェイズの747は英国の意地?で「華麗」なロールスロイスのRB211エンジンを搭載=エンジンナセルとかノズルが全く違うということになるので、仕方なくちくちく資料集めて改造してパイロンにぶら下げました。(RB211装備のカンタス航空の747キットが手に入れば要らぬ苦労なんですけど手に入りませんでした)。デカールは、2000年頃までスペシャルマーキングデカールは沢山出ていたのですが、今では望むべくもないので自作デカールと塗装で対応するしかありませんでした。
コロナさえなければ、当時「華麗」に現役で飛んでいた機材ですし、ブリティッシュエアウェイズはじめまだまだ747-400を飛ばす気でいた各社の747-400が、4発エンジンであること自体が罪 だと言わんばかりにコロナによる情勢変化と方針転換によって石もて砂漠に追われた姿は悲しいなあ、、。
ドーセットシャー

ドーセットシャー

所謂、条約型重巡洋艦の一艦。最近のアオシマのプラモキットでなく、ピットロードのレジンガレージキットを製作したものです。レジンガレージキットとしては20年くらい前の水準としては最高級で、金属挽き物やエッチングも入った今でも通用する出来。各種資料と突き合わすと、キットの設定している時期は竣工時またはそれに近い時期で、アオシマがプラモキットを発売して惜し気が無くなったので製作しようと思い立つ=あれこれ改造する気が無かった、というのもあって「華麗」な白色塗粧をチョイスした。
平時の英国海軍は海外植民地&領土の維持の為、大小の軍艦を世界中にバラ撒いていましたが、その中で条約型重巡洋艦は最大級の存在で長期行動のために高い船バタを持ち、狼が吠えつくようながっついた戦闘力より航海能力を優先した設計でした。そして文字通りその上に防暑用の白色塗粧を纏ったもの。となります。英国人曰く、足柄さんを見て「飢えた狼の様に精悍で軍艦てのはこういうものじゃないか。俺達の巡洋艦はコレに比べたらホテルだ」とかいう事を言ったそうですが、ホテルというのもむべなるかなという、高く長い船体は日本の軍艦とは全く違う美意識ですね(まあ英国人の曰くなので当然二重三重の「華麗」な含みがあったのですが)。
ランカストリア

ランカストリア

第二次大戦時の英国の超名門船会社キュナードラインの貨客船です。フルスクラッチによるもので、同型船を作るつもりなど無かったので船体はスチレンボード積層にエバーグリーンのパターン切削加工済みプラ板加工の甲板。ドナーキットとしてハセガワ氷川丸のデリックやキャプスタン等を移植し、大量のボートはWLの共通パーツを知人にもらったのでそれを活用という感じで製作しファンネルのキュナードレッドで締める。という流れ。
本当に苦労したのは資料の収集でしたが、二次大戦中連合国側最大の人数的損害を出した悪い意味でそれなりに有名な船なので、なんとかWL=1/700に耐える資料は集められました。
造形として個人的に好きな「船橋分離式船型」で、同船型の船として一番有名だろう船なのでチョイスしました(日本では珍しい船型なのですが、欧州では普通にあった船型です)。それには欧州らしい事情が有って、船長や航海士などの士官が船橋の構造物に居住するが、一般の船員は船倉蓋で隔てられた後部の構造物や船体に居住するという「欧州の身分差別」が目に見える形になったもので、「華麗」ならぬ「過隷」な事情が有りました。要するに叛乱が怖い士官が、構造的に独立した船橋に立て籠もる事態が想定されていたんですね。
シャノン

シャノン

日露戦争直後から第一次大戦時の英国の装甲巡洋艦です。フルスクラッチによるもので、これは同型艦や同じ部品を大量に作る必要が有る等の事情で、原型を作って型取り&レジン複製の上で製作しています。原型は船体に関してはランカストリアにほぼ同じ。砲塔方式で大量の砲を積んでいるので、この砲塔も全て複製(舷側に 5個も並ぶ中間砲砲塔が左右非対称のイビツな形状だったのもレジン複製にせざるをえなかった理由の一つ)
造形としては全身これ火砲といった強烈な見た目がイチオシ。コンセプト的には同時代のロードネルソン級準ド級戦艦等と通底したもので、主砲塔は前後に1基ずつのダブルエンダー配置だが、舷側に6インチ級の副砲ではなく、8インチ級の中間砲をたらふく積み全身これ火砲=全身これ弾薬庫と見える外見がスゴイwこれが一斉に発射されれば宮崎駿の名探偵ホームズの大戦艦もかくやという強烈な斉発だったでしょう。
しかしながら全身これ火薬庫に見えるがそうでもなく、実は「華麗」に斜め下でもっと悪い、というか怖ろしいものなのです。艦舷側部に5基ずつ並ぶ中間砲塔直下に各々の弾薬庫は無いらしく、直下にあるのは弾薬運搬通路であって何処にあるかは不明なのですが(多分、前後艦橋構造物付近の両舷側船底と推定。中央部は機関区画が大きな体積を占める)弾薬庫から揚げた弾薬は、せいぜい火薬缶に入れた程度の申し訳程度の防炎対策で、上記弾薬運搬通路を横方向に各中間砲塔直下へと移動し、さらに砲側へもう一度上へ上げるという給弾方式で、戦闘たけなわになると給弾作業中の弾薬が弾薬運搬通路の中に滞留すること必至の危険で怖ろしい方式だったようです。