松山エアモデラーズクラブ(MAC)は、飛行機のみならずあらゆるジャンルの模型作りが大好きな人の集まりです。

2023年の展示室

展示期間が終わったページを1年ごとにまとめたものです。

12月の作者:藤岡 正さん

一人展示室のコーナーも3回り目になりました。会長の藤岡です。このコーナーが始まったのが2020年の11月。丁度3年経ちました。早いものです。では今回もまずは飛行機から。

次は前回に続く変な飛行機第2弾です。

次は大物

最後に前会長の故玉井正倶氏の遺作を私が仕上げた思い出の作品です。

続いてバイクです。今回はイタリアの名車モトグッツィです。

NSR

NSR250,NSR250,NSR500

バイクの最後はこのNSR250とリアルレーサーのタミヤ1/12 NSR250&NSR500 の3ショットです。

艦船コーナーは往年の名キット、ニチモ1/200です。

最後は特撮系です。まずはTVドラマ「謎の円盤UFO」のメカから

次にハリウッド製ゴジラ2態

11月の作者:やました けんじさん

1/12スケールの車ばかり作っています。模型の詳細はホームページで公開しています。
https://k-s-m-w.com/

10月の作者:杉山 英孝さん

昨年10月に開催された松山エアモデラーズクラブの展示会に出品した作品の中から日本陸海軍の試作機や計画機を集めてみました。大東亜戦争末期に現れたこれらの機体は戦局を打開せんが為に無理な要求を呑まざるを得なかった少し悲しい飛行機達です。実際に機体が作られたものが殆どですが、本当のところ所定の性能を発揮したかどうか疑問符が付くものばかりです。しかし、設計者達の血のにじむような努力に思いを馳せ、空想の中で大空を存分に飛ばせてあげたいと思います。

震電

震電 ハセガワ 1/72

牽引式プロペラ飛行機の胴体はエレベーターとラダーを支持する目的以外は抵抗となるだけだが、エンテ型はコクピット、前輪収納庫、火器を収納する必要最低限の空間を有すればよい。震電は400ノット/h(約741km/h)以上を要求され、機体前部に30mm機関砲4門を搭載する対爆撃機専門の迎撃機である。
キ-87

キ-87 RS MODELS 1/72

中島飛行機のキ-84疾風を発展させた高高度迎撃機である。特徴はカーチスP-40のように主脚を90度回転させ後方へ引き込む。高高度での戦闘を可能にする排気タービンを前部右側に有する。中島飛行機の戦闘機の伝統である主翼前縁を一直線にするスタイルは受け継がれている。
キ-94Ⅱ

キ-94Ⅱ RS MODELS 1/72

 キ-87と同時期に同様な要求性能で立川飛行機に発注された。立川飛行機の設計主務は長谷川技師で、戦後トヨタ自動車で国民車と呼ばれた「パブリカ」を開発した。排気タービンはリパブリックP-47と同様にコクピット下に搭載され、コクピットは気密構造となっている。
飛燕二型改

飛燕二型改 アオシマ 1/72

今回掲載した機体の中で一番実用化に近かった戦闘機である。ダイムラーのエンジンDB601を国産化したハ40(離昇1,200Hp)をチューンナップしたハ144(離昇1,500Hp)を搭載予定だったが、当時のエンジンがそうであったように性能の額面割れが起こり、遂に実用化できなかった。
閃電

閃電 MICROMIR 1/72

大馬力エンジンの開発が遅れていた当時、空力設計で性能向上を図ろうとした機体。同時期に発注された試作機の中に震電がある。三菱では烈風の開発に堀越チームが掛かりっきりだったので、水上機の傑作「零式水上観測機」を設計した佐野技師が担当が、昭和19年10月に試作中止となる。
キ64

キ64 MPM 1/72

開発開始時は1,000馬力が世界の主流だったが、700km/h台を狙うために開発された機体である。コクピットを挟んで前後にエンジンを配し(串形)後ろのエンジンから伸びたシャフトは前のエンジンシャフトを貫き二重反転プロペラを廻す特異な形式をとった。
キ-98

キ-98 MENG 1/72

九七式戦闘機などの生産を行っていた満州飛行機が手がけた戦闘・襲撃機である。ソ連陸軍を視野に入れているため、戦車撃破用の37mm砲を装備している。地上攻撃を主眼に置いているにも関わらず高高度戦闘も要求しているため中途半端な感は否めない。
キ-102甲

キ-102甲 SWORD 1/72

 二式複戦「屠龍」を開発した川崎航空機が担当した多目的機の高高度戦闘機型である。当時開発されたばかりの排気タービン付きエンジンを搭載したが、排気タービンが故障続きで試作機が15機作られたに過ぎない。まともに性能発揮していても580km/1万mではB-29に追いつく事は出来なかった。
キ-78

キ-78 AZmodel 1/72

メッサーシュミットMe-109Rが記録した速度記録755.11km/hを破るために東大航空研究所と川崎航空機が製作した研究機。輸入されたダイムラーのエンジンDB601をチューンナップ(1,550Hp)し、抵抗を減らす工夫を施した結果699.9km/hを記録した。
明星

明星 VALOM 1/72

大戦末期にはアルミの原料であるボーキサイトの輸入が途絶える事態が懸念され、機体の木製化や鋼製化が急務となった。そこで現用機を木製化することが始められ、九九艦爆の木製化が松下電器に下命された。松下はラジオの躯体を合板で作っていた実績からだが、大きさが全然違うため難航した。
景雲

景雲 ファインモールド 1/72

最大の特徴は艦爆彗星に搭載されたエンジン(水冷12気筒「熱田」)を2基並列に配したことだ。4mのシャフトで機首の6枚プロペラを廻す。しかし、隣り合ったエンジンの冷却が思うように行かず、試験飛行で何度も火災を起こし実用化できなかった。

9月の作者:井上 次郎さん

井上次郎です。一人展示室も第2回となりました。相変わらず「子どもの頃に未熟すぎてあんまりうまく出来なかったプラモを、現在の塗料と道具を使って、もう一度作ってみたい!!」をテーマに進めています。
今回はタミヤ1/12ビッグスケールシリーズから、「フェラーリ312T」「ローラT70MkⅢ」「タイレルF-1」「マトラF-1」、1/48傑作機シリーズから「F-16エアコンバットファイター」「二式水戦」をアップします。ホンダF-1はエンジンに取り掛かったところですが、製作途中の写真を撮ってみました。9月末の展示会になんとか間に合わせたい!です。

312T-1

フェラーリ312T

マトラやタイレルと比べると車体周りは一番カッチリ組めてそれなりに強度もあるのですが、外装関係はやっぱり経年で歪んでおり、相当に手こずりました。隙間が大きくて埋めたところが作っていくうちにかえってギチギチになってやり直したりしたので、何も考えずにどんどん進めていったほうが良かったのかもしれません。
312T-2

フェラーリ312T

細くて白いラインは、カルトグラフのデカールをヤフオクで入手することができたので何とかなりましたが、キット付属のものだったら自分には無理だったな~。多分ブチブチになってましたね。
ローラ-1

ローラT70MKⅢ

とにもかくにも外装の段差がひどく、修正にかなり時間がかかりました。ゼッケン部分のデカールは黄変していた上にシミもあったので、ホームセンターのカッティングシートを切り出して作りました。
タイレル-1

タイレルフォードF-1

ジャッキースチュワート選手のドキュメンタリー映画を観ながら、一人で勝手に爆盛り上がりで作りましたが、エンジンとシャシーを結合する部分に瞬間接着剤を使ったていたら、完成してから持ち上げたときに「ボキッ!」と真っ二つに折れてしまいました。それ以来、強度が必要な重要部分には必ずタミヤセメントを使うようにしています。
マトラ-1

マトラF-1

経年によるゆがみも酷かったですが、自動車プラモでこれほど部品を削ったことは今までありませんでした~。しかも色んな部品が強度不足で、組み立て途中に折れるわ折れるわ。その代わり完成した時の喜びは大きかったです。いかにもフランス!のカラーリングとジャンピエールベルトワース選手も気に入っています。
F-105F-2

F-16エアコンバットファイター

小学生時分に、あまりのカッコよさに一目ぼれして買ったのですが、完成させることができなかった苦い思い出があります。今作っても難しかったけど、やっぱりこのカラーリングで作りたかったので満足です。デカールは全滅、かつ入手できなかったので、ハイキューパーツのデカールシートに、家庭用プリンターでカラーコピーしたものを使用しました。
二式水戦-1

二式水戦

600円と箱に記載があり、40年以上前のものだと思いますが、デカールを水につけたらなんと普通に使えて驚きました。(F-16は浮いても来なかったし、バラバラにもならず、台紙に張り付いていました)このキットは現在も販売中なのが凄すぎる。
ホンダf-1エンジン

ホンダF-1

エッチングパーツ入りの再販ものを作っています。今回キット付属のアルミ製エアファンネルを初めて使いましたが、あまりの効果の高さにびっくりしました。これはいいですね。質感は最高だし、精度が高いのでぴったりハマるし、きちんと一列になるし、良いことづくめです。

8月の作者:瀧下 壽彦さん

「ダビデの星おやぢ」です。蝉がガシガシ五月蠅い今日この頃、皆様お元気ですか。小生は孫たちのお世話で楽しみまくっております。それでは、今回も妄想イスラエルの展示で~す。

BACF

BACF MK-6 稲妻 1/72 長谷川

AREA88で、黒人傭兵3人組「エスケープ・キラー」が使用。その他にも時々出てきます。機体の上部と垂直尾翼を真っ赤に塗り、B-17のMemphis Belleを貼ってみました。
FA-18A

F/A-18A 雀蜂 1/72 長谷川

神崎が終盤で使用。敵役だからダビデの星はおかしいかな。制空迷彩にしてみました。
IAI

IAI 子獅子 1/72 長谷川

シンが3番目に使った機体。サキの塗装が有名な砂漠迷彩にしてみました。一応イスラエル空軍で使用した機体に仕上げています。ピトー管破損して未だ修復せず。
F-5E

F-5E 虎Ⅱ 1/72 長谷川

シンが2番目に使った機体でブラシア空軍のアッサン達も使用。軽戦なのでweapon全然積めません。翼下パイロンにはMk.83とブルパップ、胴体下にMk.84を積んでみました。迷彩はテキト~です(ま~近い迷彩は有り)。
F-16C

F-16C 戦う隼 1/72 長谷川

なぜかAREA88には登場しない飛行機。小さい体で weapon 満載可。AGM-65を6発とMk.82を12発搭載すればもうサイコ~。砂漠迷彩にしてみました。
SAAB

SAAB 35 龍 1/72 Airfix

シンが4番目に使った機体。大好きな機体だけど、架空にしてもほとんどweapon積めないのよねー。AAM6発までかな。英国空軍機風の塗装にしてみました。実は完成寸前の未完成品。
Harrier

BAe Sea Harrier FRS Mk.1 海の略奪者 1/72 長谷川

キムが使用した機体。米国海兵隊より取ってきた設定ですが、英国空軍機風の塗装にしております。これもあんまりweapon積めないのよねー。これも完成寸前の未完成品。
F-105F-2

F-105F 雷酋長 1/48 Monogram

B-24の Cocktail Hour があんまりにもピッタリだったので貼っちゃいました。アラブ機のキルマークも追加。

そして今回は、今井氏からの頂き物が3個。あまりにも素敵なので掲載させていただきます。なお、小生も製作に多少かかわっております。

A-10A-1

A-10A 雷電Ⅱ 1/48 田宮

小生が胴体と翼のみ作成し10年以上放置の機体を、今井氏に完成させて頂きました。これで兵装の付け替え遊びが存分に出来る~。何せこの機体、爆弾山ほど積めるのよね~。88ではグレッグが使用したので有名。
F-111F-1

F-111F 土豚 1/72 長谷川

昔から小生が一番好きな飛行機。これも胴体と翼のみ作成し10年以上放置の機体を、今井氏に完成させて頂きました。AREA88の中でも時々登場しています。この機体にMk.82をMERで4セット、TERで4セット、計36個搭載しようと思いま~す。
Rafale-1

Dassault Rafale M 疾風 1/48 Revell

これは最初から最後まで今井氏が作成したもの。すんごい出来なので小生の陳列棚に置いておくだけではもったいないので、掲載させていただきます。どうもありがとうございました。

7月の作者:97mの毛糸さん

97mの毛糸と申します アニメ好きと言いつつ全然見れてないのが最近の悩みです。推しアニメは「プラネテス」「紅の豚」「ワールドウィッチーズ」シリーズ。最近見た中では「お兄ちゃんはおしまい!」
動く模型や一発ネタなど「楽しい模型」をモットーに製作しています。手が遅いので一人展示室に並べるほど作品数があるか不安でしたが、前回から1年半分ですので意外とありました(笑)

F-14Aマヤノトップガン仕様02

F-14Aマヤノトップガン仕様

「トップガン マーヴェリック」の公開に合わせて「ウマ娘 プリティーダービー」のマヤノトップガンで痛機にしてみました。超音波加湿器を使ってエンジンノズルから水霧を吹き出しそこにLEDを照射してアフターバーナーを演出するギミックを搭載しています。主翼は閉じた状態が好きなので、主翼を閉じてアフターバーナーを使う状況=高速飛行中ということで降着装置は格納状態で作り、スタンドで展示できるように改造しました。ミサイルは実馬マヤノトップガンの好物だったニンジンカラーにしています
F-14Aマヤノトップガン仕様03

F-14Aマヤノトップガン仕様

注:マヤノトップガンは実在の競走馬で、1986年の映画「トップガン」にあやかってつけられた馬名です。ウマ娘は実在競走馬を擬人化したキャラクターが登場するゲームおよびアニメ作品であり、「トップガン」の続編「トップガン マーヴェリック」ではウマ娘のマヤノトップガンが映画の宣伝隊長として公式コラボが実現しました。
テキサン02

TA-6テキサン ヴァージニア・ロバートソン仕様

私が大好きなワールドウィッチーズシリーズの最新作「ルミナスウィッチーズ」に登場する練習用ストライカー(足に装着する飛行装置、実在する航空機がモデル)の塗装をプラモで再現しました。プロペラを蛍光ブルーで塗装しているのでブラックライトを当てると光り、モーターライズで回転するのでアニメの演出を再現できます。
もがみ02

RC護衛艦「もがみ」

海上自衛隊の最新護衛艦を1/700スケールでラジコン化しました。ラジコンメカはタカラトミーのギガストリームを流用しているので左右モーターの回転差で旋回する戦車方式です。実艦はスクリューが内回りですが、旋回時に外側モーターのみ回転するとモータートルク+遠心力で外側に激しくローリングするので、外回りに変更することで安定した航行が可能になりました。
M18

M18"加湿"手榴弾

キット:マイクロエース 1/1 M18煙幕弾
1/1スモークグレネードのプラモに超音波加湿器を搭載して水霧を噴射してみました。水霧が白っぽく見えるので「WHITE」と書いてありますが、本物のM18にホワイトはありません(笑)。また本物は噴出口が底部にあるのですが、再現すると置けなくなるので上から出しています。
零戦02

零式艦上戦闘機52型

年末年始休暇を利用して「プラモ早組みRTA(リアルタイムアタック)」という企画を(一人で勝手に)開催して2日で完成させました。
同人誌

「集めてつくって走らせて たのしいラジコン艦船模型ガイド」

大和ミュージアムの裏手にある池でラジコン艦船を楽しむグループ「呉艦隊」が発行した同人誌(いわゆるコピー本)艦船プラモのラジコン化手順を解説しており、トイラジをマイクロエース1/600大和に組み込むパートを担当しました。2023年5月27~28日の呉レンガパークマーケットにて模型店「青葉」さんのブースに置いてもらい、なんと20部完売。近々再版・・の予定

6月の作者:西瓜さん

西瓜と申します。2回目が回ってきてしまいましたなぁマメに写真とか撮ってないし今年はイマイチ作れてないしどうしようか?てな事で過去作で「アメリカンレトロフューチャーな奴ら」をお蔵出ししてみます。
まずは私の本来のジャンル艦船模型で1/700ウォーターラインから。

エンタープライズ

エンタープライズ

二次大戦末のBigE 「エンタープライズ」です。タミヤのキットを資料あれこれとにらめっこしつつ改修したもので、同時期の我が帝國海軍からみれば充実した電子装備など充分レトロフューチャーどころか未来技術ですが、ホントに凄かったのは当時エンタープライズは、お姉ちゃん空母サラトガと並んで「夜戦空母」となって艦載航空隊を夜間戦闘に対応したものとしていました。その為F6Fは右翼レドーム追加&アヴェンジャー雷撃機は同じくレドーム追加&夜戦で用無しの動力銃塔撤去の改造が施されていたのでそのように改造し脚もウォーターライン純正パーツだと只の棒が生えているだけなので差し換え改造しています。このあたりになるともう当時の我が帝國海軍では考えもつかぬレベルでしたが、今ではレトロフューチャーですね。殊更に「夜戦用」という概念自体が。
オリスカニー

オリスカニー

二次大戦中盤以降「季刊正規空母」とか言われたエセックス級空母の実質末っ娘。というのも、実は妹も沢山いるのですが、本艦は工事の進捗が遅く竣工の前に終戦になり暫く放置の後、当時最新のSCB27A改装を初めから施工した状態で1950年竣工と飛びぬけてデビューが遅いのです。
SCB27A改装というのは画像の状態で、姉妹艦にこれでもかというほどにてんこ盛りされた5インチ高射砲塔や40㎜4連機関砲や20㎜単装機関砲が軒並み無くなり、従来からの火器は5インチ単装高射砲のみ&近接対空火器は3インチ連装砲差替え(一時期海自の護衛艦に丸っこい閉囲式の連装砲塔や後方が解放のハーフシールドの連装砲塔で積まれていたものと砲自体は同じものです)となっていますし、艦橋構造物は青空天井のブリッジを止め核時代対応の閉囲式になり、煙突形状も大幅に変わっているので所謂「アイランド」の印象が全く姉妹と違っています。艦上部の電測兵装も新型の角度測定レーダー等がこれまた大量に載せられました。
あと地味に対空火器の構成が一変したので砲座関係がほぼ軒並み姉妹艦より一回り大きくなっています(印象はエセックス級原型とほぼ変わらないのにほぼ全面的に手を入れ修正する羽目になりました)。
本作例のレトロフューチャーは「第1世代ジェット戦闘機とその同僚たち」ですね。F9Fパンサー&F2Hバンシーの両ジェット艦上戦闘機と、スカイレイダー艦上攻撃機、早期警戒型アヴェンジャー、ドラゴンフライ救難ヘリといった面々で、朝鮮戦争で実戦参加し対地攻撃等に活躍しました(流石にミグ15相手は分が悪すぎたのでソレは空軍セイバー任せ)。よく仮想戦記では日独のジェット艦上機が出てきますがそんな「なんちゃって」ではない「ホンモノ」ですね。まあ今となっては直線翼のターボジェット自体がレトロフューチャーもいい所ですがね。
艦そのものはハセガワのハンコック(=エセックス級長船体型)から改造&艦載機はアヴェンジャー以外はサイバーホビーの艦載機セットから。
オルバニー

オルバニー

元がボルチモア級重巡洋艦とは信じがたいほどに艦首まわり以外、一切従来の面影すら残さない徹底的な大改装を施された艦隊防空用のミサイル巡洋艦です。50年代計画60年代竣工という時代で盛り込めるかぎりのミサイルランチャー(艦の前後ダブルエンダーにタロス&艦橋構造物両舷にテリア装備しているで2種計4基の連装ランチャーを持っています。因みに海自なつかしの「あまつかぜ」はテリア改良型のターター単装ランチャー1基で長らく海自の虎の子でしたから、本艦型が盛りに盛ったゴージャス仕様か察せられます)と、その対応イルミネーターが2基ずつ計8基も搭載したので、艦全体に電測兵装をばら撒き、それらが干渉せずかつ艦の操艦に不都合が生じない=視界良好で波をかぶらない高い高い艦橋構造物に、マストと煙突を兼用させた高い高い高いマックを突き刺し、更に花魁のカンザシの如く各種レーダーをてんこ盛りの「奇怪」「面妖」としか言えない容貌で、その姿は円谷系特撮防衛隊ZATとかTACとかのメカや基地のノリそのもので、これぞレトロフューチャーw
一度見たら脳ミソにこびり付いて離れない容貌で、個人的には軍艦史上最醜女だと思っていますが、同時にくどすぎる容貌は実は大好物でもあります。モノはサイバーホビーのキット。

次は飛行機モノですが両方とも1/144。

B52H

B52H

クラウンのキットを徹底改修し現用機仕様に改造したもの。この文章を書いている時点では、現用機仕様のB52Hは、数年前にグレートウォールホビーのキットがリリースされたので比較的手に入りますが、コレを製作した5年ほど前はB52Hのキットは
1.比較的手に入るし持ってはいたが就役開始時のキット化なクラウン
2.現用にかなり近いが長らく再生産の無いドイツレベル
の2択状態といえないような実質クラウンしか選択肢無い状態だった為、たまさかもう1キットを他のクラブ員の方から譲渡(ミニクラフトでしたが中身はクラウンそのもの)を受けたので、遠慮なく切った貼ったして改造する事にしたもの。しかし作業を始めると「改造」というか「セミスクラッチ」と言いたいほど改造点が多くかなり難渋した。改造点は以下
①機首アゴのセンサーのコブx2基の追加(クラウンキットには付いてない)原型作って型おもいと光硬化パテで複製とった(何せキットもう1個持ってるし)
②機尾を延長してバルカン砲を撤去し、電子戦用の各種アンテナを設置。
③主翼付け根辺りから前方のパネルラインが全く違うので修正し、合わせてマドやピトー管、レドーム等々大幅に修正(てかココはどんがらしか使えないレベル)
④外舷のパイロン&増槽を新造(キットは形状&大きさとも不良で全く使えない)
⑤内舷のパイロン&ASMを新造(キットの付属品はハウンドドックだの空中発射弾道弾スカイボルトだので、古すぎて使えない。形状的にスクラッチ新造しかつ大量製造し得るASMはハープーンの対地攻撃型的なSRAMしかなかった。まあこれなら発射母機に徹するミッションならターゲットポッド無しもOKだし。
⑥機体各所の通信機器等のバルジ、アンテナをリサーチして取付け。
そんな感じで現用機仕様にしてみましたが、これを作った後「エンジンを換装してまだまだ使うよ目指せ100年現役」とか米空軍が言い出したんでびっくりwレトロフューチャーだった筈のものがリヴィングレジェンドって感じに、、。
4-1

FB111 メンフィスベルⅡ

アリイの「F111」からの改造。この文章を書いている時点で食玩でFB111が出ていますが、これも同じく5年ほど前の製作当時はアリイからの改造一択しかなかった(クラウン?冗談はよし子さん)。改造点は以下。
①主翼を延長。戦略爆撃機化=航続距離要求が大きくなったので延長されたもの。
②懸吊するモノを準備する。キット付属の増槽は戦術空軍用のもので、形状違いで使えない。またキットに爆弾ミサイル等ついてないのでどうしたものかと思ったのだが、上記B52Hはサービス精神旺盛なキットで、旧い方のSRAMが多数 付属していたので形状を修正して使用した。
③機首上面天測窓等を追加④改造ではないが、リサーチそのものが大変だった。戦術空軍のF111と違ってFB111は「戦略空軍の戦略爆撃機」な所為か、巷間に出回った情報がかなり少なく、外形は写真資料である程度判ってもたちまち塗装については全く判らずしかも「メンフィスベルⅡを作りたい」となるとほぼお手上げでした。
結局、クラブ会員の所持していたハセガワの1/72FB111のインストを借りて所属航空団とかから「インストの中でおそらくコレ!」くらいまでは特定できたので、インストに従い塗装した(機体下面までガッツリ迷彩という珍しいもの)。 またSRAMも現在退役済みとはいえ「戦略空軍用核ミサイル」だけあって存外に資料が無く、ネット上で米退役軍人が当たり障りない範囲でアップしてくれたモックアップ画像とかが無ければ懸吊させるに至らなかっただろう。FB111も今や完全にレトロフューチャーな爆撃機で、B58ハスラーの後継と言い条高高度高速侵入ではなく、低高度高速侵入でソ連領内に侵攻し本命のB52の核攻撃の露払いに、針路上の防空ミサイルサイトに旧いSRAM=核ミサイルをたたきこみ進撃路を切り開く(これ以上ない物理)というコンセプトでしたが、冷戦終了と高コスト体質な設計の為、B52Hより若いのに早々にリタイア済。

次は陸モノ。

M60A2

M60A2

AFV系も「レトロフューチャーといえば宇宙船=M60A2やろ」とか「アルミの戦車シェリダンやろ」とか「いやいや夢のMBT-70にとどめ刺す」とか思いつくのですが戦車は碌に作品が無く、しかも上記のアメリカンレトロフューチャーな戦車はどいつもこいつもイカモノ(全て主砲がミサイル発射のガンランチャーw)な上に、ホンモノからして古いので、キットも稀少なものも多く、かつ当然ながら手持ちのキットも無い、、と思ってたらウチにもありました。
画像の右側のM60A2です。左はお馴染みエイブラムスで大きさ感は後ろにドンと立つタミヤセメントでお察しくださいですが、定規当てて実測してみると1/387というミニスケールで、ウォーゲームの駒用のミニ模型で30年近く前大学生の頃作って死蔵してたものですが、まあ大きさが大きさなので、「製作」というよりは「塗装」する模型ですね。
宇宙船というのは、あまりにラジカルなガンランチャーを前提とした砲塔デザイン及び、その故障頻度の高さに乗員が自らの愛車を揶揄したものですが、確かにそのデザインは斜め上にすっ飛んだレトロフューチャーですw以上で「アメリカンレトロフューチャーな奴ら」おしまい。

最後に方向性違いながらキャラものとスケモをちゃんぽんした作品でシメ。

コスモタイガーⅡ各種

コスモタイガーⅡ各種

バンダイの新旧、宇宙戦艦ヤマトのメカコレシリーズから、新旧&塗装&タイプの各種取り揃えで手前左から右&奥左から右へ順に
①新キット三座型標準(オレンジ)塗装 新キットの垂れた首を一度切断し、角度修正して接合。三座=戦闘爆撃機として解釈し大型対艦ミサイルを懸吊した。ヤマトメカは様式美の世界だと思ってはいるが、ソレでも有人動力銃塔付三座機とは、ちと無理があるなと思う。銃塔挿込むとエンジンは何処に?てなるのだ。
②旧キット三座型標準(オレンジ)塗装 他の作品との比較用に敢えて旧キットをそのまま素組したもので本作②は上記①の新作リファインに当たる。当時のガキンチョはみんな「なんでせんとうきじゃないんだよ」とか思いつつ、銃塔がくるくる回るのを3日くらいは楽しんだものでした(そのくらいブンドドしたら細かい部分や銃塔はほぼ壊れてしまいます)。 たまに勇者が戦闘機型にしようと手を出しても、⑤で後述のハードルは高すぎて弾き返されるのがオチでした。近所のお兄さん作の戦闘機型をもらって長いこと大事にしていた覚えが有ります。
③新キット単座戦闘機型、完結編準拠濃緑色塗装 新キットの垂れた首を一度切断し、角度修正して接合。塗装を所謂完結編で出て来た濃緑色ベースの塗装パターンとしたもの。完結編の前半は「菊水一号作戦」そのままのシチュエーションで描かれていた為塗装は、濃緑色&明灰白色&黄橙色=ゼロ戦そのままのパターン(窓枠が黄橙色という点だけが違う)。何故か旧作さらば~Ⅲと完結編では武装の懸吊パターンが違い、胴体下に二連装ランチャーで大型ミサイルを抱えさせた。
④新キット単座戦闘機型黄色塗装 新キットの垂れた首を一度切断し、角度修正して接合。塗装は下記⑤さらば&2の山本機準拠の塗装とした。
⑤旧キット単座戦闘機型黄色塗装(山本機を想定) 上記②の三座型からの改造で改造点は以下の要領だが、とても当時のガキンチョがやりおおせる内容ではなく、「ねんがんのこすもたいがーをてにいれた」まで40年かかった。あーしんどかったわ、、。
1。機首を一度盛って削り出し尖らせる。作業の都合上当然、機首先端ピトー管状のパーツも別途再現。キットのパーツはそれっぽい平面形の1mmプラ板切り抜きみたいなプラ塊で、全く使い物にならない。
2。難関その1キャノピーの縮小と後ろ窓枠の撤去。三座型はキャノピーに二人乗るが単座型は純然と一人乗り=小さく削ってやる必要があり、設定画稿に従えば後ろの窓枠も不要なのでまるっと切削&ヤスって撤去。
3。難関その2動力銃塔撤去。旧キットは胴体上面にガッツリと、銃塔の台座があるのでここを整形し滑らかにしてやる(設定画稿合わせならその上に更に③④⑥の作品にあるような出っ張りが有るのだが、コスモタイガーは宇宙用オンリーでない大気圏内でも使える超マルチロールファイターで、必然性が薄そうな出っ張りは敢えて再現せんでもエエ。と考え省略。
4。難関その3脚部と脚部蓋を取り付ける。上記②の作品=旧キットの脚部は、玩具そのものな図太いもので脚部蓋もパーツも無く、しかも本機の主翼部は極めて薄くて機関銃以外何も入りそうにないので、胴体に全て収納するものとして、それっぽく考えねばならないのだが、脚部の接着強度やら何やらもあって主翼に脚部立てて胴体側にタイヤ等嵩張るものを収納の形に妥協した。脚部そのものはLSのF18を生贄に捧げ確保した(30年前なら200円のキットに、100円の生贄だが、今やそうもいかない)。
5。胴体下に懸吊する大型の増槽?ミサイル?を機体中心線位置に、ランチャーごともう1本追加する。これは上記②=旧キットが設定画稿で3つ有るべきものを二つしか入れてない所為でココでも旧キットが1つ生贄になった。塗装は山本機を想定したので、標準塗装でオレンジの部分が黄色になる。
⑥新キット単座戦闘機型標準(オレンジ)塗装 新キットの垂れた首を一度切断し、角度修正して接合。それ以外特にいう事無し。 新キットの一番基本形&塗装なのだが、金田作画オマージュかなんか知らんけど機首部が無様に垂れ下がってて、かつてのイメージモデルヤマトじゃあるまいし見苦しい事この上ないし、ジオングじゃなく航空機なんだから脚部は飾りでなく絶対要るのだが、これも付いておらず不満が色々あるキットだ。
ストライクウィッチーズ

ストライクウィッチーズ、バルクホルン&リトヴァグ

ハセガワの最近のトレンド=レジンフィギュア&飛行機キット抱き合わせパックを作っているうちに少し脱線したもの。
①バルクホルン&FW190D FW190Dについてはキットのストライクウィッチーズ仕様ではなく、元ネタのゲルハルトバルクホルン機で作成。フィギュアもJV44部隊章こと騎士十字章や、黄色い飛行兵科色の階級章など元ネタから拾えそうなネタは拾ってみた。
②リトヴァグ&YAK1 ハセガワのパックは飛行機はYAK3だが、元ネタのリーリャリトヴァグが搭乗してない機体なので、たまさか持ってたポーランド製マスタークラフトのキットのYAK1に差し換えたが、ケンバス張り後部胴体の表現とかの見どころは有るキットだが如何せん士の字の形にするだけで大苦労。脚はよれよれのプラ棒状の何か&キャノピーは氷砂糖という有様で運河彫りをひっくり返した凸モールドも結局全て掘り直し。しんどかった、、。
塗装作業自体はそう問題は無かったのだが、そこまでに至るリサーチが存外面倒で、近年の研究によればこれまでリーリャリトヴァグ機といえばコレが特徴だと言われていた、白百合マークは英国人作家のヨタ話だし、機番黄の44も間違いで同じ部隊のエカテリーナブダノワ機だそうで、結果何もパーソナルマーキングを描けないし、赤星の国籍マークも当時はほんの2年以内くらいしか使ってない黒フチ付きの赤星で、在庫デカールなんかある筈もなく自作する羽目になった。
フィギュアの方は特に困る事は無し。

5月の作者:酒井 盛次さん

一人展示室が回って来ましたので去年10年越しでようやく完成したATF160g-5(160トン)の完成写真を紹介します。

1-1

まずは回送シーンから!大型クレーン100クラス以上のクレーンはその大きさからブーム、ウエイト、トン数が大きければ旋回体を外して別送のトレーラーで部材を運ばなければいけません。部材単体でも10トン以上と重い為、道路を痛めることから分散させて運ぶとこが決められています。現場に到着すると別のクレーンでブームをクレーン本体に取り付けます。
1-2

次にワイヤーにフックを付けます。吊り上げる物の重さや作業効率に応じてフックの選定を決めます。
2

フックが付いた後、アウトリガーを張り出して水平を出し安定させた後ウエイトを背中に背負う為クレーン本体の前方の間にウエイトをセットしていきます。自分が制作したクレーンのウエイト総重量は(7.5kg)実機は50トンあります!ウエイトも吊り上げ荷重に応じて増やしたり減らしたり出来るよくうに設計されています。
3

ウエイトがセット完了したら旋回体を回転させてウエイトを背中に背負う為、本体とウエイトを接続固定します。実機は油圧のシリンダーを利用して接続します。自分の制作したクレーンはボルトを利用して固定します。
4-1

これで作業姿勢の完成です!
4-2

作業前と後のブームが伸びてない状態の佇まいがカッコよくて好きです(笑)
5-1

そしてブームを伸ばしていくわけですが大型のクレーンはブームを伸ばしたり縮めたりする時間が物凄く時間がかかる為、作業半径や吊り上げ荷重を考慮して伸ばす長さを決めてます。
5-2

重量物を何メートル先まで持って行くのでブームをこのくらいの長さでとか、ブームの安定性、剛性を考慮してこのブームの出し方など色々なパターンがあるのでその選定をオペさんは考えて作業しています!今はコンピューター制御で転倒のリスクはほぼありません。
6-1

ブームを設定の長さまで伸ばしてようやく作業開始となります。
6-2

実機でフルブームだと約60メートル自分が制作したクレーンが約3.5メートル長いです!

説明の方が長くなってしまいましたが今回はここまでにしておきます。

4月の作者:あらじおさん

RGジオング1

RGジオング 作りました。
RGジオング2

シャア専用ズゴック

RG シャア専用ズゴック作りました。
HGアッガイ

HGアッガイ作りました。
DE10

鉄道模型のジオラマに挑戦しました。田んぼに映るDE10

3月の作者:黒猫さん

皆様お久しぶりです。二回目の登場の後藤直樹(黒猫)です。さて今回の展示室は何を…と考えていましたが、まずは前回途中段階で記載した1/350 こんごう を紹介します。

こんごう2

こんごう3

キットを提供してくださったK氏作品との2ショット私とのレベルの違いにため息が出ます(笑)
ロサンゼルス級

ロサンゼルス級

護衛艦作った後は潜水艦(ロサンゼルス級)を製作
エッチングはほぼ使っていないのですぐに完成
レパード

レパード

依頼品のレパード ゴールドツートン
なかなかいい色合いが再現でき大満足でしたが、手元にないため自分用にもまた作りたいです。私が作るならBBSホイールにローダウンは必須ですね。
レパード2

Ju-52

Ju-52 IWC

飛行機もちゃんと作ります。ぼこぼこの機体に貼るデカールが苦行でした。
スターウォーズ

ここ最近は、スターウォーズが再熱しておりビークルモデルを量産中です。
スターウォーズ2

スターウォーズ3

スターウォーズ4

スターウォーズ5

2月の作者:Onoさん

松山エアモデラーズ所属 飛行機は作らないカーモデル専門の「走り屋おやじ」ことOno、2回目の登場です。前回は「スカイライン」のキットを紹介しましたが、今回も懲りずに「スカイライン その2」でいかせていただきます。(台数が一番多いので(笑))

GT-ES-1

アオシマ製1/24 GC111スカイライン2ドアHT2000GT-E・S

 スカイラインの人気を不動にした3代目、いわゆる「ハコスカ」の後継として昭和48年に登場し、それまでの直線基調から、当時流行していた「ファストバック(ルーフからトラックリッド後端まで連続してなだらかな傾斜となっているリアスタイル)」のアメリカンナイズされたスタイルに変貌しました。大きく豪華になった一方、後方視界の悪化や重くなったことへの批判もあったが、消費者にはおおむね好意的に受け入れられました。また「ケンとメリー」という若い男女キャラクターがCM中に映し出すおしゃれな世界が実車登場前から話題となり、関連するグッズも爆発的に売れたため、この代のペットネームが「ケンメリ」となったことは、60歳代以上の方にはご存じのとおりです。
GT-ES-2

アオシマのケンメリは、昭和50年代中盤からの「族車ブーム」に乗って、実車が旧型車となったのちに製品化したもので、商品内容を変えながら実に40数年にわたり連綿と生産され続けています。 作品は昭和51年~実車が発売された「後期型」で、それまで後期型は1/24のキットがなくミッシングリンクとなっていましたが、平成30年にフロントグリル等一部新金型を追加してリリースされたものです。私は後期型をよく見かけた世代なので、待ってましたとばかりに即購入・制作しました。
GT-ES-3

 ボディカラーはあえてクレオス旧8番シルバーを使用し、「ねずみ色」感を出しました。そのまま組むと盛大にフェンダー奥に引っ込むタイヤ/ホイールはスペーサーで調整し、ちょうどいい「奥まった位置」に。前後バンパー下のパネルは実車同様の分割線を入れ、フロントは取付ボルトのモールドを追加。あとはほぼ素組です。元が古いモーターライズキットですので、最新の某H社製と比べて見劣りするところはありますが、精密すぎて組み難い面もあるH社と比べ、手軽にケンメリのスタイルを楽しめます。新金型のフロントグリル/リアパネルも、このキットの欠点であった部分をしっかり改めたものとなっていますし、OP扱いのアルミホイールも造形が良く、細身の新金型タイヤと相まって、昭和のクルマの「足回りが頼りない」感を醸し出しています。なお、アオシマ製ケンメリは、現在も前期・後期、ノーマル~ワークスシャコタン車まであらゆるスタイルで販売されています。実車の当時を知るリターンモデラーやカスタム派には、最適のキットであると言えます。
GT-ES-4 GT-ES-4

GT-EST-1

アオシマ製1/24 GC211スカイライン4ドア2000GT-E・Sターボ

大ヒットを飛ばした「ケンメリ」の後に登場したGC210型、通称「ジャパン」は、「日本の風土が生んだGTカー」というコンセプトで昭和53年に実車が登場しましたが、当初は排ガス規制で随分とおとなしくなった走りに対し、某トヨタから「名ばかりのGT」と揶揄され、GT-Rの登場も望めないということから、各メーカーともキット化に慎重なところがあったようで、知っている限りでは、前期型はLS、アリイ(いずれも1/24)が実車登場から間もなく製品化したのみでした。ターボ車が登場した後期型(昭和55年)はイマイ(1/24)、バンダイ、ニチモ(いずれも1/20)が製品化しましたが、今回紹介するアオシマは後継のR30型登場後の製品化で、当時最後発でした。
GT-EST-2

当時はモーターライズがマストでしたので、各社モーターや電池のパッケージングには工夫を凝らしており、このキットは特徴として前後サスペンションギミックを備えていました。そのギミックを活かすためスタイリングに影響を及ぼしていたり、実車と異なる部分やあるのは残念です。 後発のスタイルが良いキットもあるのですが、在庫の関係で(笑)こちらのキットを作ることを決意。実車画像とにらめっこした結果、以下の点を改修しています。
①最大の欠点「デカい顔面」は、電池収納の関係でボンネットが上下に大きいことが原因なので、フェンダー先端からのこを入れて厚みを短縮。これに合わせてフロントライトレンズ、グリルの上下幅を詰める。
②妙にデカいフロントバンパーは、本来中央から左右になだらかに湾曲しているはずが、パーツはほぼ真っ直ぐなので、切り込みを数か所入れてRを付ける加工を施す。またリアバンパーも含めて、前後張出しを抑えたものに。
③リアサスギミックが動くスペースを確保するためトランクリッドが実車と違う傾斜角になっているため、トランクリッド角度をなだらかに。
④サイドウィンドゥモールドは全体的に太くヨレ気味で、Aピラーについては実車と全く異なっているため、窓枠モールドをいったん切除した後、細切プラ材でモールを再生。Aピラー部は正しいモールドに彫り直し。
⑤ボディとシャシー脱着の都合でサイドシルが絞り込まれてないため、ボディ曲げと一部切除&削り込みでサイドシルを絞り込み。
以上の改修で、素組に比べ似てない感が大きく解消され、圧倒的にスマートさが増しました。
GT-EST-3

なお、純正アルミホイールは前後で幅が違うタイプですので、リア用をフロントと同じ幅まで詰めたうえで、ジャンクからアオシマ製のフロント用タイヤを2個拾ってきて、前後同サイズとしています。また、リアフェンダー後端に付くエンブレムは、デカールを0.3ミリプラ板に貼り付けた上で、クリアコート後に慎重に切り出し装着。立体感を持たせています。ジャパンは2ドア/4ドア、前期/後期に加え、特別仕様車のキットもあるので、今後徐々に作成して一連のラインアップとして並べてみたいです。
GT-EST-4 GT-EST-5

GTS-X-1

フジミ製1/24 R31スカイライン2ドアスポーツクーペGTS-X
フジミ製1/24 R31スカイライン4ドアHTGTパサージュTC24ターボ

ハコスカ、ケンメリ、ジャパン、R30とヒットを飛ばし続けたスカイラインブランドも、このR31では大きくつまづきます。「第二次国産車パワーウォーズ」の荒波の中、先代のR30では待望のDOHCエンジン搭載車「RS」が登場し、その後ターボ装着など毎年マイナーチェンジを重ねて、遂に205馬力(グロス値)を叩き出すまでに。しかし、市場はパワーと共に「豪華で快適に乗れるクルマを求めていたため、中~大型車の主流がいわゆる「ハイソカー路線」にシフトしていました。その結果、R31スカイラインが取った路線が「ソフトマシーン」。4ドアハードトップのボディにケンメリGT-R以来の直列6気筒DOHCエンジンを搭載してパワーウォーズにも対応しながら、当時人気だったマークⅡ三兄弟と同じ土俵に乗ろうとしたのです。これがスカイラインファンの総スカンを食らってしまい、わずか1年で基本コンセプトを修正することに。その旗艦となったのが、2ドアスポーツクーペでした。
GTS-X-2

世界初の車速感知式GTオートスポイラーは、スポーツスカイライン復活のアイコンとなり、評判の芳しくなかったDOHCターボエンジンは、セラミックフィンを採用したターボチャージャーに換装しレスポンスを向上。これにより一気に人気を盛り返そうとしましたが、残念ながらそれまでのモデルのような高い人気を得るまでにはなりませんでした。
GTS-X-3

キットは実車登場と同時にフジミからリリースされ、最初は4ドアHTのキットが登場しました。その後2ドアの発売に合わせてこちらもほぼリアルタイムで発売。2年後のマイナーでは2ドア・4ドア共に後期型に改修され、現在でも入手可能なキットとなっています。
GTパサージュ-1

キット内容はと申しますと・・・これでもかというくらい何もかもが「辻褄が合わない」駄キットでございます。2ドア・4ドア共にもうここに書き出していてはいくらページがあっても足りないくらい、修正を加えております。令和元年にH社から2ドアのGTS-Rが発売され、今やその存在意義が薄れつつあるフジミ製2ドアですが、それが登場するずっと前に、いつかスカイラインの系譜を並べるに当たり、何としてもきっちり作りたいという一心で、高校生の頃作ったものをレストアしたのが本作品です。(当時は前期型が絶版となっており、レストアする意義も大きかった。)
GTパサージュ-2

今の目で見れば、タイヤが極太気味だなぁと思いますが、H社製と並べてもそうそん色ない出来になっていると思います(個人の自画自賛です(笑))。今後、タイヤサイズを見直して、より実車感を高める予定です。一方4ドアHTは、H社製2ドア登場後も唯一無二の4ドアHTのキットとしてその存在意義を保持していますが、内容は2ドアと全く変わりませんので、期待してキットのまま組み立てると、確かにR31にしか見えないのですが、とにかく組み立てに苦労するキットです。
GTパサージュ-3

決定版を作るにはH社キットとのニコイチしか道はありませんが、いつかはチャレンジしてみたいと思い続けてはいるものの、実際やるか?と問われると、返答に詰まりそうです(笑)。完全絶版となっている4ドアHT前期型のキットもジャンクであって、内装の修正をしたところで中断しています。重い腰をいつかは上げなければならないと分かってはいますが、せめてH社キットをサラッと作ってからにさせて下さい(笑)。
GTS-X-4 GTS-X-4

1月の作者:木下 英雄さん